孤独・孤立対策の推進に関する法律案について

浜田聡議員のお手伝い

すべての増税に反対する浜田聡参議院議員のお手伝い第1弾!!

こんにちはこんばんは!北九州減税会のふく子です。

今回は令和5年3月に内閣官房が通常国会に提出予定の孤独・孤立対策推進法案について、ざっくりとまとめてみました。この法案から、私たちが納めた税金の使い道について考えていきます。

孤独・孤立対策推進法案とは

孤独・孤立対策を総合的かつ集中的に推進することを目的としています。

令和3年6月11日に国民民主党が孤独・孤立対策推進法案を提出し、国は令和3年12月より孤独・孤立対策推進会議を計6回、孤独・孤立対策の重点計画に関する有識者会議を計8回実施しています。令和5年2月2日には第1回孤独・孤立対策に関する有識者会議が開催されています。

国は孤独・孤立対策をよりいっそう推進するためには法的根拠が必要と考えているようです。

具体的には基本理念、国の責務等を明らかにし、孤独・孤立に関する実態調査の実施や、孤独・孤立対策の基本となる事項を定め、孤独・孤立対策推進本部を設置する等の必要があるとしています。

孤独・孤立とは

そもそも孤独・孤立とはどういう意味なのか、おさらいします。

孤独とは

1 仲間や身寄りがなく、ひとりぼっちであること。思うことを語ったり、心を通い合わせたりする人が一人もなく寂しいこと。また、そのさま。

2 みなしごと、年老いて子のない独り者。

孤立とは

1 他から離れて一つだけ立っていること。また、仲間がいなく一人ぼっちなこと。他の助けがなくただ一人でいること。

2 対立するもののないこと。対応するものがないこと。主として、「孤立義務」などと法律上の語として用いられる。

引用:コトバンク(デジタル大辞泉)より

シンプルに状態を表す言葉であり、寂しいという表現もありますが、客観的な視点だなと捉えました。

孤独・孤立対策とは

首相官邸の菅内閣政策集の冒頭にこうあります。

“「絆」のある社会の実現を目指し、多様なつながりの中で、お互いが支え合い、助け合いながら生きていくことのできる社会を構築していくことが重要です。社会的に孤立し、不安を感じる方々に、官民や民間同士がそれぞれの垣根を越えてつながりを深め、社会全体で手を差し伸べていきます。”

つまり、官民連携および国民の協力のもと主に以下の孤独・孤立に関わる諸問題に対応していこうということだと考えます。

・孤独・孤立対策(全般)

・自殺対策

・生活困窮者支援

・児童虐待防止対策

・子供のSOSへの対応

・性犯罪・性暴力、DV

・フードバンク

・住まいの支援

・その他関係省庁の施策

・孤独・孤立に関するフォーラム

社会全体で手を差し伸べるというのは、ゆりかごから墓場までの高福祉を目指すために元来の「申請主義」から孤独・孤立で困っている人々を申請せずとも拾い上げようとする「プッシュ型」へと国は転換を進めているように見てとれます。

孤独・孤立の現状

職場・家庭・地域での関わり合いや支え合いが減り、生きづらさや孤独・孤立を生む社会へ変化しています。また、昨今、新型コロナ感染が拡大し、ステイホームと称して自宅で過ごすことが増え、交流・見守りの場、相談支援を受ける機会の喪失により、社会に元来から内在していた孤独・孤立の問題が顕在化・深刻化している現状があるとしています。

今後、単身世帯や単身高齢世帯といった身寄りのない人々の増加が更に見込まれる中で、国は孤独・孤立の問題の深刻化を懸念しており、新型コロナ感染拡大が収束した後も、社会に内在する孤独・孤立の問題に対し、必要な施策を実施しようとしています。

しかしながら、人々の幸福というものは国が介入して解決する問題ではなく、何か問題を抱えている人がその人自身が助けて欲しいと声をあげやすくする状況を作ることがむしろ必要なのではないかと思います。支援する側から拾い上げようとするのは、自己決定権を奪う行為になりかねないというデメリットもあるのではないでしょうか。

孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和3年)調査結果のポイント

今回、気になったのは孤独・孤立の把握方法や状況調査です。

少し見にくいので、図1と図2を拡大します。

直接質問では孤独感がしばしばある・常にあるのは4.5%でした。

間接質問のUCLA孤独感スコアの10~12点は6.3%でした。

つまり、直接質問・間接質問ともに10%未満であり、平均しても5.4%です。

この結果から感じたことは、このような調査結果から、孤独・孤立対策を推進するため法案を通す必要があるのか疑問です。

引用元 第3回孤独・孤立対策推進会議説明資料

孤独・孤立対策の重点計画

では、どのような基本理念や方針、具体策を掲げているのか確認していきます。

孤独・孤立対策の3つの基本理念

(1)孤独・孤立双方への社会全体での対応

(2)当事者や家族等の立場に立った施策の推進

(3)人と人との「つながり」を実感できるための施策の推進

孤独・孤立対策の基本方針4本の柱と具体策

(1)孤独・孤立に至っても支援を求める声を上げやすい社会とする

①孤独・孤立の実態把握

②支援情報が網羅されたポータルサイトの構築、タイムリーな情報発信

③声を上げやすい・声をかけやすい環境整備

(2)状況に合わせた切れ目のない相談支援につなげる

①相談支援体制の整備(電話・SNS相談の24時間対応の推進等)

②孤独・孤立に係る相談支援に当たる人材の確保、育成及び資質の向上、相談支援に当たる人材への支援を推進

(3)  見守り・交流の場や居場所を確保し、人と人との「つながり」を 実感 できる地域づくりを行う

①居場所の確保

②アウトリーチ型支援体制の構築

③保険者とかかりつけ医等の協働による加入者の予防健康づくりの推進等

(4)  孤独・孤立対策に取り組むNPO等の活動をきめ細かく支援し、官・民・NPO等の連携を強化

①孤独・孤立対策に取り組むNPO等の活動へのきめ細かな支援

②NPO等との対話の推進

③連携の基盤となるプラットフォームの形成

④行政における孤独・孤立対策の推進体制の整備

本計画の基本理念・基本方針をもとに、施策の推進において特に重点的に考えているのは、孤独・孤立対策に取り組むNPO等の活動への支援だとしています。当面、令和3年3月の緊急支援策で実施した規模・内容について、強化・ 拡充等を検討しつつ、各年度継続的に支援を行っていくとのことです。

孤独・孤立対策に取り組むNPO等とは

ところで、対策に取り組むNPO等とはどのような団体や主体を指すのでしょうか。

孤独・孤立対策の推進に関する法律案の第16条において、国及び地方公共団体は、国及び地方公共団体の関係機関、学校、医療機関、特定非営利活動法人(特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人をいう。第三十二条において同じ。)等の民間団体その他の多様な主体としています。

以上の団体や主体に国は補助金にて支援しますと謳っています。

孤独・孤⽴対策に取り組むNPO等への⽀援について

孤独・孤立対策に取り組むNPO等への支援については、令和5年度予算案及び令和4年度第2次補正予算をあわせて、60億円を超える規模となります。具体的にどのような取り組みに補助金が配られるのか確認していきます。

孤独・孤立対策の取組モデルの構築(内閣官房)     2億円

こどもの居場所づくり(内閣府、内閣官房・厚生労働省) 22億円

女性に寄り添った相談支援(内閣府)          4億円

生活困窮者等支援・自殺防止対策(厚生労働省)     18億円

フードバンク支援・食育の推進(農林水産省)      9億円

住まいの支援(国土交通省)              9億円

さらに詳しく確認するには引用元をご確認下さい。

引用元:孤独・孤⽴対策に取り組むNPO等への⽀援について(令和5年度予算案・令和4年度第2次補正予算 )

孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム

先述の取り組みに対して官民連携を強化していくことを重要視しています。

孤独・孤立対策に取り組む多様なNPO等支援組織間の連携及び官民連携を強化することにより、コロナ禍で顕在化した孤独・孤立対策の取組みの推進につなげることを目的に設置した会員制のプラットフォームが創設されました。

このプラットフォームを通じ、複合的・広域的な連携強化活動、孤独・孤立対策に関する全国的な普及活動、先導的取組み・学術研究等の情報共有、相互啓発活動等の実施により、取組みを行っているNPO等を支援していくものとのことです。

引用元 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodoku_koritsu_platform/index.html

活動内容

1.複合的・広域的な連携強化活動

(1)分科会開催

①孤独・孤立に係る課題等のテーマ毎に分科会を設け、現状や課題の共有、対応策等を議論

②孤独・孤立に関する現場課題ワークショップ

2.孤独・孤立対策に関する全国的な普及活動

 シンポジウムの開催等

3.情報共有、相互啓発活動

 ①会員向け情報共有

 ②情報発信事務局訪問記

 ③孤独・孤立に関する調査

会員情報(令和5年1月16日時点)

・孤独・孤立対策に取り組むNPO等への支援を行う中間支援団体、各分野の全国団体  85団体

・孤独・孤立対策に取り組むNPO等支援団体 142団体

・関係府省庁 16団体

・孤独・孤立対策に関して高い見識を有する者(個人) 0名

・協力会員 118団体

・賛助会員  24団体

合計        385団体・0名 

(↑どのような団体が参加しているかはクリックにてご確認下さい。

ちなみに個人で関わってる人は今のところ0人でした。

385の団体が、社会調査結果から平均して5.4%ほどの孤独や孤立感を感じる人々に、60億円を超える補助金を財源として取り組みを行っていくことに疑問を感じます。

プッシュ型の具体策

現在、具体的なプッシュ型支援としてはソフトバンク株式会社と連携して孤独・孤立対策ウェブサイト「あなたはひとりじゃない」の周知を実施しているそうです。

令和5年2月6日より、「ソフトバンク」及び「ワイモバイル」の携帯電話を利用中で、料金の支払いが遅れた顧客に対して行う案内(SMS)の中で、孤独・孤立対策ウェブサイト「あなたはひとりじゃない」をテキストの中で紹介をしています。

しかしながら、料金の支払いが遅れる人は孤独・孤立で困っているのか疑問ではあります。

まとめ

今回、ざっくりと孤独・孤立対策推進法案についてまとめてみました。

孤独・孤立対策を担当する小倉将信少子化相は、孤独・孤立対策推進法案を3月上旬に国会に提出する予定です。

孤独・孤立を強く感じる人々は、社会調査結果から平均して5.4%であるにも関わらず、申請主義からプッシュ型へと変革を進めたいという国の思惑を感じました。懸念しているのは、プッシュ型で拾い上げていこうとするのは国に管理されることで自由を奪う方向に繋がるのではないかということです。

たしかに長引くコロナ禍により外に出る機会が減り、孤独・孤立を感じる人々の生きづらさは増しているかもしれません。しかし、仮に同じ環境や経験をした人でも、孤独・孤立感を感じるか否かは人それぞれであり主観によるものです。その状況をプラスに捉え、奮起する人もいるのではないでしょうか。一方的に孤独・孤立であることをマイナスに捉えさせようとしている事業だなと思います。

つまり、社会調査結果から平均して5.4%の人々のために働きかけを行うNPO等への支援に補助金として60億円を超える予算が充てられるのは税金の使い方としてどうなのでしょうか。率直に言うとナンセンスであり、事業自体の必要性を見出すことが難しいです。

ところで、財務省が毎年発表する国民負担率は2月21日、47.5%となる見込みだと発表しました。また国民負担に財政赤字を加えた潜在的な国民負担率は61.1%の実績見込みとなっています。

昨今、国民の負担が増す中、特定の団体への補助金や非課税世帯や保護世帯、子育て世帯への給付金を強化していることに疑問を感じます。バラマキの後には増税が待っているからです。

孤独・孤立対策のために、国は国民の協力を求めていますが、協力を得るというより半ば強制的な印象を強く受けます。

孤独・孤立対策推進法案を審議する中で、税金の無駄遣いがないか徹底的に精査していただき社会保障費の増大による増税につながらないようにしていただきたいです。

NPO等への支援を強化しているように見受けられる当法案ですが、補助金の中抜きが問題視されている中、本当に必要な人に必要な福祉が届くのか疑問です。

税金がどうのように使われているのかを視覚化し税金の無駄を根本から断つことが重要です。

地方自治体の事務事業評シートの徹底公開を条例で規定する等の推進および減税と規制廃止を今後も訴えていきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

ふく子でした◎

参考文献

衆議院HP 孤独・孤立対策の推進に関する法律案

内閣官房HP 孤独・孤立対策 全般

首相官邸HP 孤独・孤立対策

財務相HP 令和5年度の国民負担率を公表します

国民民主党HP 【法案提出】「孤独・孤立対策推進法案」を提出

コトバンク(デジタル大辞泉)

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